俺を好きにならないで
2階の奥の部屋。


綺麗に整頓された湊の部屋。


彼に続いて部屋に入るが、ここに来るまでに互いに何も話さなかった。


こんな雰囲気になるために今日来たわけじゃなかったのにすごく気まずい。



「ねえ、美紅」



なにか話さなきゃと思っていると、私に背を向けたまま湊が口を開く。



「な、何?」


「……さっきはごめん」


「え?……なんで湊が謝るの?謝らなきゃいけないのは私の方だよ」
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