ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「だって嬉しくて。大丈夫、まだ誰も来ない時間だから」

「でも……」

「良かったね、そう言ってもらえて」

「……はい」


物音一つない診療室で、自らも先生の背に腕を回す。

それを感じ取ったように、鮎川先生の片手が私の後頭部へと上がってきた。

抱き締め直した手が、私の頭をふわふわと撫でてくれる。


「いやぁ、ほんと嬉しい。自分のことみたいに嬉しい」


弾んだ声で私を離さない鮎川先生に、クスッと笑みがこぼれる。

こうやって、ストレートに感情を表してくれる鮎川先生が、今ものすごく愛おしい。

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