ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「海が近くて、地元ながらいいとこなんだけどね」


鍋をよそったお皿を正面から手渡され、「ありがとうございます」と受け取る。

至れり尽くせりしてもらってしまいながら、片付けは全てやらせてもらおうと密かに心に決めていた。


「あの、先生って、ご兄弟はいるんですか?」

「あー、いるよ、姉貴が」

「じゃあ、お姉さんもやっぱり歯科医とか」

「いや、姉貴は地元の方で外科医してる」


思わぬ回答が返ってきた。
ご両親が歯科医、そしてお姉さんは外科の先生らしい。


「外科医の先生……すごい、お医者さん一家ですね。でも、お姉さんだけ歯科じゃないんですね」

「ああ、そうなんだよね。歯医者は絶対にやだとか言って、自分だけ医学部いきやがった。実家は継ぎたくないとかって」

「え、じゃあ、いずれは鮎川先生がご実家を継ぐんですか?」

「まぁ、いつかはそうなるのかな。まだ親どっちもバリバリ現役だから、当分は大丈夫だろうけど」

「そうなんですね……」

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