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仰向けに出した左手は、伏せられて手の甲は上を向いて手のひらは隆平の手のひらの上。
隆平はあたしの薬指に指輪をはめた。

「ぴったり」

笑顔であたしを見る。

「何で?」

「何でって?」

そのまま返された疑問符。

「別に今日誕生日でもないのに」

「あげたかったからいいの」

いつか、佑也がくれた場所と同じ場所にゴールドのリングが輝いた。
佑也がくれたものは公園で拾ったものだった。安物のアルミのようなリングだった。

過去が蘇って、涙が出そうになった。
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