好きって言えよ、バカ。



「わぁーっ、絃ちゃんかわいいっ!」



「わっ……」



私の姿が見えるなり、さらりと恥ずかしいことを口にして抱き着いてくる葵くん。



「葵ー?」



そう言って引き剥がしに来る雅さんは、いつものこと。



「どう?絃ちゃん。似合ってる?」



雅さんに私から引き剥がされ、不満そうにしながらもニコニコと可愛い笑顔を浮かべながら私に問いかけてくる。



「うん、とっても。3人とも似合ってるし……その、かっこいいよ……っ?」



素直にそう伝えただけなのに、心なしか3人とも顔が赤いような……?



まぁ、気のせい……だよね?



「ほら行くぞ」



「へっ?ちょっと……!」



その変な間を破るように、声を発した蓮くんは、すっと私の手を引いて玄関へと歩き始める。



「蓮兄っ!!」



「やる時はやるって?」



な、何なのよっ!?



もう、調子が狂って仕方ない……



ただでさえ、かっこよすぎる3人にドキドキが止まらないっていうのに。





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