好きって言えよ、バカ。



試合が終わったあと。



余韻に浸りながら、応援に来ていたみんなが帰っていく。



……が、しかし。



会場の出入口付近に女の子の集団がひとつ。



なんとなくだけど、予想はついている。



「相変わらず人気ねー、雅さんと蓮くん」



私の隣で瞳がそう呟く。



「まぁ、イケメンだからね」



それは私も否定はしない。



だって、そうじゃなきゃこうも毎日ドキドキさせられない。



「どうする?」



「うーん」



無視していきたいところだけど、女嫌いの雅さんの事だから不機嫌極まりないだろうし、蓮くんは女遊び早めたといえども扱いは慣れてるから、ニコニコ愛想振りまいてたらムカつくし……



「でも、声なんてかけられない」



結論はこれ。



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