好きって言えよ、バカ。
「こ、これでいいでしょ!?は、離してよっ」
あぁ、恥ずかしい。
もう死んでしまいそう。
今すぐ赤く染まった顔を隠したいのに、手を握られてしまっているせいで隠せない。
そっと目を開けた葵くんは、なんだか不満そうだった。
「どう、したの?」
「なんで、ほっぺなの?」
「……え?」
「キスってこういうことでしょ?」
「……んんっ」
誰も唇にだなんて言ってない。
頬にキスでもいいじゃない。
でも、葵くんはそれが不満だったらしく。
キスの雨をお返しされた。