好きって言えよ、バカ。
「ん、あおっ……葵、くんっ」
トサッと後ろのベッドに押し倒されて、葵くんから甘いキスが降り注ぐ。
そのキスはとても優しくて、大切なものを扱うようで……
とってもとろけそうだった。
「……、これくらいしなきゃ、ね?」
満足したのかしていないのか、私から離れて得意の笑顔でそう言った。
「バカっ」
十分に呼吸もできなくて、乱れてしまう。
もう、バカバカっ!
「ふふ、ご褒美ありがと!おやすみ、絃ちゃん」
そう言って葵くんは、まだドキドキが止まらない私を置いて部屋を出ていった。
「ずるすぎるよ、ばか」
私がそう呟いたことは葵くんは知らない。
「……やばっ」
また、葵くんが顔を赤らめ、理性と戦いながらそう呟いて部屋を出ていったことも私は知らない。