好きって言えよ、バカ。



「あとね、もう一つだけ絃ちゃんに付き合ってほしいところがあるんだけどいい?」



「うん」



ボートを降りて少し公園内を散策してから、遼くんの言うその場所へと向かった。



ちょうど日も暮れ始めた頃。



遼くんが私のことを


「大丈夫?」


と気にかけてくれながら登った丘の上。



既に先客はいたけれど、そこからの景色はとても綺麗だった。



「すごい……綺麗っ」



感動して言葉が出ないって言うのは、まさにこの事。



街中から少しだけ離れた丘の上。



薄暗い空の下で光り輝くのは街の灯り。



遼くんが連れてきてくれたのは夜景の見える丘だった。



< 230 / 306 >

この作品をシェア

pagetop