好きって言えよ、バカ。



「絃ちゃんに喜んでもらえてよかった」



まさかこんなところに連れてきてもらえるなんて思ってもいなかったから……



「ありがとう、遼くん」



「どういたしまして」



「遼くんって、こういうところ好きなの?」



「うーん、まぁ好きかな。俺って意外とロマンチストなの」



ベンチに並んで座って、そんな話をする。



自分で言わなかったらかっこいいのに……



もったいない。



「絃ちゃん、もし何か困ってることとかあったら教えてね」



「へ?」



急に真面目なトーンになって、頭の中にはハテナが浮かぶ。



「俺ね、本当に絃ちゃんのこと好きだから。絃ちゃんには笑っていてほしい」



「……うん?」



「もう、わかってないでしょ」



「……いたっ」



首を傾げたままの私に、コツンと拳をぶつけられて、おでこをさする。



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