好きって言えよ、バカ。



「あのね、遼が俺らにこれを送り付けてきたんだよ」



そう言って、雅さんがスマホを操作して私に見せてきた画面に映っていたのは、あの噴水の前で遼くんが私のことを隠し撮りしたもの。



まさか、保存されただけじゃなくて、3人にも送られていただなんて……



やっぱりあの時、意地でも奪って削除しておくべきだった。



「遼兄ばっかり、可愛い絃ちゃんのこと独り占めしてずるいっ」



そういう葵くんも、なかなかボディータッチも多くて、一緒にいる時間が長いような気がするけど……



それは黙っておく。



「確かに楽しかったけど、本当に何も無いから、ね?」



疲れたからお風呂入って寝る、と無理矢理話を終わらせて逃げるようにその日は眠りについた。



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