好きって言えよ、バカ。



「おい、いつまで遼の隣座ってんだよ。行くぞ」



「わぁっ」



いとも簡単に、ヒョイっと腕を引かれて立ち上がらせる。



「あの、遼くん、ありがとう!」



そのまま蓮くんに連れていかれそうだから、後ろを振り向いてそう遼くんにお礼を言う。



「どういたしまして」



そう言ってヒラヒラと手を振る遼くんは、本当に優しい目をしていた。










教室までの帰り道。



「本当に、もう大丈夫だから」



ずっと沈黙したまま歩いていたけれど、蓮くんがその沈黙を解くように口を開いた。




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