好きって言えよ、バカ。
「……おい、遼。てめぇ、絃に何してんだよ」
「れ、蓮くんっ……!?」
北階段の上から見下ろすように私たちのことを見ている蓮くん。
いつの間にそこにいたの!?
そう驚きつつも、遼くんからキスされずに済んでホッとする。
「もう大丈夫だから、戻るよ」
「……大丈夫って?」
「ふーん、そういうこと。絃を頼むとか言って、1人でいいとこ持ってっちゃったわけね」
ついていけていない私と、全てを理解している様子の遼くん。
「今回だけはコイツのそばにいてくれてたのだけは礼を言うよ。不本意だけどな」
またバチバチと始まってしまったふたりの言い合い。
もう、どうしたらいいかわからないから、私の目の前でやらないでよ。