好きって言えよ、バカ。





「あの、小鳥遊 絃ちゃん……」



やっと涙も止まり始めた頃、私に声をかけてきたのは、お昼休みに手伝ってとお願いしてきた女の子と、その友達。



「……なによ、何しに来たの!」



私を庇うように前に出てくれる瞳。



本当に素敵な友達を持って、幸せ者だと感じる。



「その……謝りに来たの。ただ、絃ちゃんのことが羨ましくて……ごめんなさいっ。酷いことしたし、許してなんて言えないけど」



「ごめんなさいっ」



深々と頭を下げる3人。



あんなことがあったばかりだから、ごめんなさいと言われてすぐに信じることはできない。



でも、好きな人に見てほしいって気持ちは私にもわかる。



「もういいよ。もうしないって約束してくれるなら」



< 263 / 306 >

この作品をシェア

pagetop