好きって言えよ、バカ。






「絃ーっ!!」



「瞳ぃ……」



教室に着くなり、急いで駆け寄ってきてくれて、後ろに倒れそうになるくらい勢いよく抱きしめてくる。



「く、苦しいよぉ……」



「もう、ばかっ!なんで私に相談しないのよっ……」



「ごめんね、瞳。心配かけたくなくて……」



私のことを思って泣いてくれている瞳に、もらい泣きしてしまう。



本当は心配をかけたくなかったのに、もっと心配かけちゃったね。



本当にバカだよ、私は。



「親友なんだから、もっと頼ってよ。でも、無事で良かったっ」



しばらく私たちは人目もはばからずに抱き合った。



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