好きって言えよ、バカ。
その日の帰り道。
瞳と駅まで一緒に並んで歩く。
「ねぇ、もう絃がいなくなった後何があったか知ってる?」
心配だったんだよというオーラを漂わせつつも、明らかに瞳のテンションが高まっているのが、少し高くなった声でわかる。
「瞳が気づいてくれて、遼くんに相談して……蓮くんが血相変えて教室を飛び出したってところまでなら?」
確か遼くんがそんなことを言っていた気がする。
「その後よ、その後!」
……その後?
「蓮くんが何をしたか知ってる?」
「……いや、わからない」
何をしたのか。
そう言われても、私を見つけてくれたのであろうその後はすぐにいなくなってしまって、いつの間にか戻ってきていた蓮くん。
その間に何をしていたのかは、全く想像がつかない。