好きって言えよ、バカ。




……とは言ったものの。



「はぁ、どうしよう……」



あの後、葵くんと雅さんが家を出てしまい、文字通り蓮くんとふたりきりになってしまったわけなんだけど。



いてもいられなくなって、今私は、自分の部屋に立てこもっている。



リビングに行く時間は、ご飯の時だけ。



トイレ、お風呂、ご飯……それ以外の時間は基本的に部屋からは出ない。



そうすれば、蓮くんとふたりきりでいる時間は確実に減る。



「……これじゃあ逃げてるだけじゃん」



蓮くんの変な言葉に乗せられ、宣戦布告してしまった私だけど、実際のところ、なんの自信もない。



蓮くんに惚れるなんてことはないと思っているけれど、奴のことだ。



何をしでかすかわからない。



この3日間が、無事に過ぎ去りますように。



ただそう願わずにはいられない。



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