好きって言えよ、バカ。
「いいから」
パシッと有無も言わさず、私の手を取って歩き出す蓮くん。
そういう俺様なところが蓮くんだ。
「絃はどれに乗りたい?」
「うーん、じゃああれ!」
指さしたのは、ジェットコースター。
私、好きなんだよね、ジェットコースター。
あのスリルが堪らないの。
「ん、じゃあ行くか」
さすがは夏休み。
人がいっぱいで、ジェットコースターに乗るのにも30分は並んだと思う。
いや、それ以上かな?
でも、早く乗れないかなとワクワクしながら待つ待ち時間は、短く感じた。
「はーっ、楽しかった。次はあれ!」
「はいはい」
自分で思っていた以上に楽しくてテンションが上がっている私は、次から次へとアトラクションに乗っていく。
珍しく蓮くんは文句も言わずに、私に合わせてくれていた。