好きって言えよ、バカ。




「いいから」



パシッと有無も言わさず、私の手を取って歩き出す蓮くん。



そういう俺様なところが蓮くんだ。



「絃はどれに乗りたい?」



「うーん、じゃああれ!」



指さしたのは、ジェットコースター。



私、好きなんだよね、ジェットコースター。



あのスリルが堪らないの。



「ん、じゃあ行くか」



さすがは夏休み。



人がいっぱいで、ジェットコースターに乗るのにも30分は並んだと思う。



いや、それ以上かな?



でも、早く乗れないかなとワクワクしながら待つ待ち時間は、短く感じた。



「はーっ、楽しかった。次はあれ!」



「はいはい」



自分で思っていた以上に楽しくてテンションが上がっている私は、次から次へとアトラクションに乗っていく。



珍しく蓮くんは文句も言わずに、私に合わせてくれていた。



< 89 / 306 >

この作品をシェア

pagetop