好きって言えよ、バカ。
「……ふ、ふぇっ」
「ははっ、お前そんなにダメだったのかよ、お化け屋敷」
「だから……嫌だって言ったじゃんっ」
お化け屋敷を無事出てこられた私は、半泣きどころじゃなく大泣き。
だって怖いものは怖いんだもん。
お化けは本物じゃなくて、人がやっているのだとわかっていても、恐怖しかない。
蓮くんは、せめてもの優しさなのか私のことを庇うように歩いてくれていたけど、やっぱり意地悪で、ふと脅かしてきた。
何度ビビって、蓮くんにしがみついてしまったものか……
本当に恥ずかしい。
でも、そんな恥ずかしがっているほどの余裕はない。
「お詫びにいいとこ連れてってやるよ」
「いい、ところ?」