ブラックサンタクロース
純情ボーイに見えるのに。
なかなかマニアックだったんだな上原。
「べ、別に変なこと考えてないっスよ?……ただ、本当に他の女の子より魅力的に見えて。純粋に、応援したいだけっス。それ以外にやましい気持ちなんてありません!」
「そういうことにしておいてやるよ」
「っ、羽山さん〜」
さすがアマリ。
その美貌で人間の心を射止めてきただけある。
「なあ、上原」
「なんです?」
お前はアマリが
人殺しだと知っても、同じことがいえるだろうか。
「羽山さん……?」
俺がXと同類だと知っても
シッポ振って俺の周りウロつくのだろうか。
それとも。
お前にとって俺は、害悪でしかないだろうか?
ずっと正体を隠して生きてきたことを知れば、お前は、どう思うかな。
「なんだか顔色悪くないですか羽山さん」
そんな風に心配してくれるのはお前が俺の正体を知らないからだ。
「いつも悪いけど」
「ですよね」
認めるんかい。