いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
思い出が詰まったその箱をいち君と一緒に取り出して、被っている土を手でどける。
どちらにもそれぞれの名前が彫られていて、その文字にも懐かしさを覚え指でなぞった。
「いち君からこれを渡された時、何入れようかすごく迷ったんだよね」
思い出して笑みを零すと、いち君に何を入れたの?
と尋ねられて、わたしは銀色の蓋を開ける。
でてきたのは、少し色褪せた手作りの金メダル。
それは、小学生の頃、運動会の為に頑張った私へと、いち君からプレゼントされたものだ。
「え……これ?」
驚くいち君に、私ははにかんだ。
「そう、凄く嬉しかったから、私の中では宝物だったの」
「そうか……大事に思ってくれてありがとう。俺が入れたのは手紙なんだ」
彼の指が、蓋を開けて中から一つの封筒を取り出した。
よくある自分宛ての手紙だろうかと、彼の手元にある封筒を見つめていると、私に差し出される。
「君宛ての手紙を入れたんだ」
「私?」
言われて見れば、宛名には確かに私の名前が書かれていた。
開けていいのかと瞳で尋ねると、いち君は微笑みと共に首を縦に振る。
私は、そっと封筒を開けて、中の手紙を丁寧に広げ、まだ少し幼い彼の文字を追った。