いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~

思い出の魔法



午前中、朝イチで近所のスーパーに足を運んで食材を購入。

帰宅後すぐに仕込みを開始。

まずは本日のサプライズ品となるデザートから作り始め、約束の時間に間に合うようにと調理を進めていく。

テンション上げていこうとエプロンを着けてすぐにスマホを操作し音楽を流したけど、耳に入ってきたのは最初だけ。

やることが多過ぎて、どうにか全ての行程を終えるまで忘れていた。

あとは盛り付けて完了というところで、いち君からのメッセージをスマホが受信。

【あと十分くらいで着くよ】と書かれていて、私はまずキッチンの片付けを優先する。

部屋は昨夜綺麗にしてあり、朝から掃除機もかけた。

二人がけ用の白いテーブルにも、最近一目惚れをして買ったレースのセンタークロスをひいて華やかな印象になっている。

玄関もお手洗いも抜かりなく、残るは使いたてほやほやのキッチンのみなのだ。

一応片付けながら作っていたので、五分もあれば綺麗になるはず!

そう予測し、スポンジを手にした。

そして、十分後。


「お邪魔します」


爽やかなアイスブルーのデニムと、ボーダーTシャツに綿麻のテーラードジャケットを羽織ったいち君がやってきた。


< 95 / 252 >

この作品をシェア

pagetop