溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
「三藤さん、こんにちは」
「こんにちは。先日は素敵なお時間を頂戴しまして、ありがとうございました」
「こちらこそ、素敵な女性との縁談があって安心しましたよ」
祖父と父が気に病むほど、八神さんの女性関係は荒れているらしい。そうじゃなきゃ、何度も縁談の席を設けたりしないだろうし、業務協力の条件に見合いの提案なんてしないだろう。
「一誠、早く自宅を用意しなさい。三藤さんに失礼だろう、こんなホテル暮らしでは」
「まったくだ。いつまでもひとり身でいられては困ると言っているのに」
リビングに通すなり、彼の祖父と父は呆れ顔だ。
「新居はまだ探してもいませんよ。それに、この生活もなかなか悪くないんです」
私と話す時より、かしこまった口調なのは彼の家柄の躾なんだろうなぁ。