溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
花火大会が始まって少しすると、携帯が鳴った。
今夜は取引先の専務を接待しているから、私用の連絡は後にしてもらおうと思いつつ、携帯のディスプレイを見ると【社長】の二文字。
「はい、一誠です」
《すまないな、接待中に。お前は出水常務の酒席は初めてだろうから、先に伝えておくことが》
「なんでしょうか?」
《常務は、そうとう酒が好きだから際限なくお飲みになる。だけど、酔うのも女性に対しての手も早いから、くれぐれも気を付けてくれ。今日、女性社員もいるなら、遠ざけておいた方がいい》
「かしこまりました。契約の件は、昼間に詰めておきましたので問題なく進むと思います」
《そうか、わかった》
社長でもある父親と話して、ふと接待相手の常務に目を向けたら、言ったそばから事件が起きていた。