溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
廊下の突き当たりにあるドアが開けられた。
「この寝室は、眠っていて心地いい空間ですから、気兼ねなくゆっくり過ごしてください」
丁寧に私をベッドに下ろすと、少し待っているように言って、彼が出て行った。
初めての高級ベッドに気分が上がってしまう。
酔っていなければ、寝転がって大きさを楽しんだり、何回か飛び込んでふかふかの感触に贅沢を味わっていただろうな。
内装を眺めると、調度品の一つ一つが上品かつ高価そうだ。
大きなテレビも夜景とセットで絵になるような洒落た間接照明も、この部屋には合っている。
やっぱり、スイートルームは格が違うんだなぁ。こんなに贅沢な空間で過ごせるなんて夢のよう。
そんなことを考えていると、八神さんが戻ってきた。