例えば、XXとか。

「 あ、碧斗帰ったら話があるの 」

「 話?」



話さないと、正月の事。



「 今 簡単に話せ 」



言われて、碧斗の横では滉も聞いている。

要点だけ思い話す。



「 正月はバイト?私は休みなの、出来れば数時間でも一緒にいたいって思って…… 」



母達の事は今は伏せて話した。

でもなぜか碧斗は目をそらしてしまった。

私は碧斗がバイトだと思い、無理言ったと謝る。

すると滉が口を挟んできた。



「 伊織ちゃん、今こいつ照れてる最中。だから、安心していいよ、碧斗はバイト休みとってるからイチャイチャできるよ 」

「 ち、違っ! イチャイチャしたいわけじゃないし、一緒にいるだけで満足だから!」



あ~ 恥ずかしいっ……



「 俺は…… 」



え…



碧斗が私に顔を近づけ囁くように言った。



“ 一緒にいるだけで俺は満足しない ”



ドキッ… とした。

体の芯から熱くなる感じがした。

私の目を見て微笑んで見せた碧斗に、ドキドキが加速するばかり。



碧斗って、悪魔みたいな奴じゃなかったっけ?



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