例えば、XXとか。

滉は碧斗を隠しながら優雅に伊織を連れて行けと手で促す。



「 滉、今… 」

「 あ? 何、優雅がナンパしたぞ~ 先行くってさ!ハハッ、よくやるよなぁ 」



碧斗に向き直り言う滉は必死に誤魔化した。

碧斗は確かに伊織を見たと滉を退かすが、伊織はいない。

優雅もいない。



「 滉っ、今確かにっ 」

「 碧斗? どうしたの、何かあるの?」

「 あ、どうも碧斗の親友、滉です~ よろしくね、名前なぁに?」

「 私は… 亜稀です。碧斗、ほんと嬉しい、会えるなんて。でも、私行かなきゃ… 絶対会いに行くから、またね 」




亜稀が行ってしまいホッとするも、心穏やかじゃない碧斗は滉を睨む。



「 滉、俺は伊織を見間違わないっ 」

「 悪かったよ、マジほんと… でも、亜稀って女といるところを伊織ちゃんが見たらそれこそ……
今は優雅が一緒にいる、一人じゃない。
だから心配するな 」



そう言われても納得できずいる碧斗に、滉は何か食べようと連れ出す。


優雅に肩を抱かれ人波に合わせて進む。



なんで優雅君が?

この神社にいるなんて言ってないのに……

それに、さっきのは何だったの?



「 優雅君、どうして… 」

「 ごめん伊織ちゃん、ごめん 」



なんで謝るのか、今の私はその意味を知らなかった。




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