例えば、XXとか。

碧斗を見たような気がした。

でも確かでない事を口に出来ない、優雅には確かめられない。



「 俺さぁ 友達何人かと来ててはぐれたんだよね、そしたら伊織ちゃんいるからマジでビックリだよ、ちょっと嬉しいって思った 」



優雅君…… なんか、何て言うか……



「 友達探すの手伝おうか?」

「 いいよ、伊織ちゃん一人なんだし危ないから一緒に回るよ、いい? 」



優しい?



「 優雅君がいいならいいけど… 」

「 良かった、ありがとな!」



優しい、よね… 喋り方が柔らかくなった感じかな。

もしかして、今の優雅君が本当の姿?

優雅が手を見せて言った。

離れると探すのは大変だから手を繋がさせてほしいと……

不意に碧斗が思い浮かぶ。



「 大丈夫、ちゃんと守りたいから繋ぐだけ 」



優雅の優しい思いやり、私はその手を取った。

温かい……優雅の手。



「 何か食べた? 俺腹へった 」

「 じゃあ、イカ焼き食べない? 」

「 いいよ 」



参拝者が増える中、もうすぐカウントダウン。



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