例えば、XXとか。
動植物園の門。
優雅の前に二人の男がいた。
「 碧斗 」
「 優雅 」
「 植物園にある花のアーチがあるとこにいるよ、行け 」
「 わかった 」
“悪いな、優雅…”
碧斗の言葉は優雅にだけ伝わる。
走る碧斗を見て、優雅は震える手を拳に変えて耐える。
諦めたわけじゃない、それでも引いたのは伊織を思うからこそ。
植物園、花アーチ。
何も知らない私は優雅を待っていた。
たくさんの花々に囲まれている植物園。
宿木を見つめていた。
「 そう言えば、宿木の下でキスするって… まさかね、誰もやらないよね。
この寒いのに枯れてないなんてすごいなぁ
あ、花言葉があるんだ、えっと…… 」
宿木にある説明書、指で花言葉を辿ろうとした時だった。
伸ばした手を掴まれ、振り向く。
ウ、ソ……
「 伊織っ 」
「 …碧斗?」
何から答えをだせばいいか……
目の前にいるのは錯覚ではない碧斗がいる。
手を握って、ギュッ… と、抱きしめて。
どうして、碧斗が……
「 伊織…… 」