例えば、XXとか。

動植物園の門。

優雅の前に二人の男がいた。




「 碧斗 」

「 優雅 」

「 植物園にある花のアーチがあるとこにいるよ、行け 」

「 わかった 」



“悪いな、優雅…”



碧斗の言葉は優雅にだけ伝わる。

走る碧斗を見て、優雅は震える手を拳に変えて耐える。

諦めたわけじゃない、それでも引いたのは伊織を思うからこそ。



植物園、花アーチ。



何も知らない私は優雅を待っていた。

たくさんの花々に囲まれている植物園。


宿木を見つめていた。



「 そう言えば、宿木の下でキスするって… まさかね、誰もやらないよね。
この寒いのに枯れてないなんてすごいなぁ
あ、花言葉があるんだ、えっと…… 」



宿木にある説明書、指で花言葉を辿ろうとした時だった。

伸ばした手を掴まれ、振り向く。



ウ、ソ……



「 伊織っ 」

「 …碧斗?」



何から答えをだせばいいか……

目の前にいるのは錯覚ではない碧斗がいる。

手を握って、ギュッ… と、抱きしめて。



どうして、碧斗が……



「 伊織…… 」







< 204 / 282 >

この作品をシェア

pagetop