例えば、XXとか。

旗から見てもわかる、人気者はみんなのだと。

厳しいと聞いた彩膳での採用規定、私にはよくわからない。



「 伊織… これ見てわかったでしょ、彩膳の人が彼氏ならお墨付きだし、女の敵は増えるけど優越感ハンパないのよ!」

「 そこなの? 私は普通でいいよ 」



自分の彼氏がこんな風に囲まれてるのなんて見たくないしね。

アイツも、やっぱり人気なんだ……

近くにいるのに、変な感じ。



菜月は彼らの一人を独り占めできる予定だった。



「 菜月、帰る?二人でご飯しよーよ 」

「 え、冗談? やだ、待つに決ま…… え、来る? 伊織っ 」



菜月が目の前を指差すと、イケメン3人が女の壁を破り走ってこちらへ来る。



「 伊織、来いっ 」



手を掴まれて走る私たち5人。

後ろからは痛いくらいの声があった。

でも、私の意識は……

碧斗に掴まれている手、繋ぐ手……


寒い夜空と空気。


私の手は熱い。





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