例えば、XXとか。

碧斗とキスはしていない、未遂。

それでもしたような感覚。

それは碧斗も同じで、部屋に入るなり照れと恥ずかしさ、ドキドキしている自分を隠せない。



「 何してんだ俺…… 」


アイツに何しようとした?

なんで……

もう少しで触れそうだった。

滉のせいだ、あんな事言いやがるから。

もし、アイツとキスしてたら……

俺、どうなるんだ?


いやいや、ないだろ!

だいたい俺とアイツは……


アイツは、伊織はっ……


目をグッと閉じた碧斗。

一つの言葉を飲み込んだ、碧斗の中でそれを口に出せないでいた。



何かが変わる。

碧斗の中で、何かが変わる。


そして伊織も同じ。



翌朝、眠れなかった二人。

碧斗は朝になって眠りに落ちた、伊織は寝不足のまま起きてスマホを見る。



優雅君……



“会いたいって俺だけ?”



そのラインに、碧斗が過る。

昨夜の事が頭から離れないでいた。








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