浅葱色の魁

｢なんだ！平助！ここにいたのかよ！｣

｢って、おい！平助！｣



平助を探して永倉と原田が井戸へ


平助が縁側から立ち


｢うぇっ…｣



嘔吐した





｢平助！！｣


永倉が背中を擦ろうと近づくと



｢来るなっ！！！　ｹﾎｯ｣



｢……新八　様子おかしいぞ｣


｢ああ｣


｢陽乃、呼んでくる｣



原田がドタドタと走る



騒ぎで、幹部だけではなく
平隊士まで集まる





｢平助様！｣


｢陽乃どうしたらいい！？｣



上手く呼吸が出来ないくらいに
取り乱した平助を見て




｢水を……｣


｢よっしゃ！｣


原田が井戸の水を汲み上げる


陽乃が自分の手拭いを水に濡らし
絞ってから、左手に持つ




大きく右手を振りかぶり



パチーーーンッ


｢てっ！！｣



平助を平手打ちした



｢平助様？陽乃です｣


｢陽…乃…｣


｢大丈夫そうですか？｣


呼吸を整えつつ、首を横に振る


｢大丈夫になるまで、ちゃんと
おそばにおります！
頬を冷やして下さいませ｣


陽乃から手拭いを受け取り
頬を冷やす




｢皆様　お戻り頂けます？｣



平隊士らが、部屋に帰って行く



幹部は、縁側に腰掛け
平助と陽乃を見守る