浅葱色の魁
「ふぅ~ん 新八が兄 平助が弟か…
だったら俺は、長兄か!?」


「歳でいうとそうだな!」


「新八!平助!それから、京にいる左之!
いいか!血の繋がりなど大したことねぇ!
心が繋がっている!それが大事だ!
俺は、お前達弟が困った時
1番に駆けつけてやる!
杯を交わそう!弟よ!」



酒をクイッと飲み干すと




「新八、平助に遠慮なんてすんなよ!
こいつは、俺達の弟なんだ!」


毛内が平助の背中に手を置くと
ドンと押し、永倉の所へ倒れ込む



「わわっ!危ねぇ!」



「抱きしめてやれよ!平助はなぁ!
女みてぇなその華奢な体に
色んなものを背負ってる!!!
平助!!兄に甘えることは、恥ではない!
お前がひとりではないことを
ちゃんと感じろ!!」



永倉と平助が戸惑っていると



「何をしている!!
遠慮などするな!!
我ら兄弟の杯を交わした仲だぞ!」


毛内が、永倉と平助2人を抱きしめる

遠慮がちに永倉が平助の背に手を回す



「平助、恐れることはない
俺達は、お前を傷つけたりしない」



「うん」



平助も永倉と毛内に手を回す



「強烈な兄貴だな」


「はははっ早く左之に会わせたいな」


「その時は、改めて杯を交わそう!」










数日 隊士募集活動をして
永倉が先に京へ帰ることになった



「あと、50人… いけそうか?」


「やるしかないよ」


「屯所の移転先が決まったら知らせる」


「おう」












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