絶対やせてやる!
「何作ってんの?」

「ひみつ。」

「分かるよそれ、くまの服でしょ?」

「くまじゃなくてテディベアー。」

「同じじゃん。」

妹は、小さい時からくまの縫ぐるみを集めてて、それに名前を付け、服を作り、着せて飾っている。

しかも、男女ペアーにして・・・。

どこで男女を決めてるのか分からないが・・・。


「くまって言うとみのりちゃんの部屋のでかいやつと同じみたいでイヤ。」


そう、私はとある有名キャラクターの黄色のくまの縫ぐるみを西に飾っていたりする。

だって、西に黄色って金運向上って言うでしょ?


「みのりちゃんみたいにでかいよねあれ。」

「ほのか・・・あんた私に喧嘩売ってる?」

「まさかあ~。」

「ならいいけど・・・。」


それにしても、口を動かしながら手はせっせと編物をやってる。
ほとんど完成に近い。


「私も何か作る物持ってくるんだった。」

「みのりちゃんが何作るの?」

「さあ?」

「だよね。腹筋でもしたら?」

「もういい。飽きた。」


そう言って寝転がると妹の冷たい視線が・・・


「夏までにやせるんでしょ?」

「そうだよ。」

「本当は、もう夏なんですけどね。」

「いいの。ここは、まだ夏じゃないから。」


北海道の夏は遅くて短い。

暑いのは7月から8月の2カ月ぐらい。

夜になると肌寒い。

気温だって30度になんてならないし・・・。


「大丈夫!まだまだ時間あるし。」

「そう言ってるうちに冬になっちゃてて体が冬眠態勢になるんだからね。」

「分ってるって。」
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