Miseria ~幸せな悲劇~

「はは、なんてね、大丈夫、気にしないで……ほら、はやく食べないとメイのももらっちゃうよ!」


祐希は身を乗り出してメイが脇に確保していたお気に入りのチーズ味のポテチを手で掴んで口に運んだ。


「あっ、ちょっと祐希!」


祐希は少しメイを心配させてしまったと思ったのか、いつもより明るく振る舞っていた。そんな祐希がメイには痛々しく思えた。


「なんかあったらおまじないなんかより私に相談しなよ。絶対力になってあげるからさ」


メイは祐希の手にあるポテチを取りながら言った。


「平気、平気。それに私は今でも十分『幸せ』だよ。だって、メイや、美花、詩依、みんなといるととっても楽しいんだもん」


祐希はそう言ってにこりと笑った。


そこへ、


「はぁ、やっと解放された!あのババア、いつかぶっ飛ばしてやる!」


不機嫌そうな顔の詩依が教室に入ってきた。


朝のホームルームの時間から続いていた詩依の鈴木恵先生による余罪調査がようやく終了したようである。


ちなみに先生はまだ20代だ。
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