Miseria ~幸せな悲劇~

☆☆☆

それから私は、毎日、


喰イ喰イと『神崎メイ』について話をした。


思えば私が、私でない他者に私について話をしたのは、これが初めてかもしれない。


『………』


同時に私の自傷行為もこの時だけはおさまっていた。


自傷によって爆発的な感情を発散させることも、コントロールすることもなくなったからだ。


彼女と話すことで、不思議と私の心は充実していた。


『喰イ喰イ……』


私は唯一、心を許せる他者を得た。


それが例え人間ではないとしても、私には生まれて初めて愛する友達ができた。


しかし、それでも。


まだ私には満たされていない感情があった。


ある日、私は、


『ねえ、喰イ喰イ、あなたは本当に私の不幸を食べてくれるの?』


喰イ喰イに尋ねてみた。


『ええ、メイのためなら、私は何でも食べてあげる…』


病室のベッドに横たわる私の手を握りながら、喰イ喰イは答えた。


『………』


私の中で、何かが動き出した。


喰イ喰イならこんな私を変えてくれる…。


そう思った。


思ってしまった。
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