Miseria ~幸せな悲劇~

『私の力があれば、あなたは新しいメイとして、今までの人生を全てをやり直すことができる。もちろん、あなたの理想通りの自分としてね……』


驚きと共に、私の心は歓喜した。


喰イ喰イの提案は私にとって、


喉から手がでるほど欲しいものだった。


まさにそれは、私が最も望んだ願いだった。


『やり直す…? 私の人生を? それって私が、こんな私じゃなくて、もっと強くて、かっこよくて……そんな、誰にでも愛される私に、私がなれるの…?』


私は身を乗り出して喰イ喰イに言った。


『ええ、間違いないわ。でも、その代わりに、あなたは自身の運命を逃れた代償を背負うことになる…』


『代償…?』


私にはその言葉がひっかかった。


『あなたは、私の悲劇の舞台であなたの役を演じることになる。つまり、私があなたの前に食べた不幸を、あなたは背負うことになる……』


喰イ喰イの噂や呼び出すための儀式は知っていたが、このルールに関しては聞いたことがなかった。


『私が不幸を……』


たしかに、これだけのリスクがあれば、誰しもが彼女を呼び出すことを躊躇うだろう。


私が喰イ喰イにとって特別だから、私にこのルールを明かしてくれたのだ。


『ねぇ。だったらその不幸って、私が背負うことになる不幸って何…?』


私は恐る恐る喰イ喰イに尋ねた。


私が背負うことになる不幸によっては、私は今以上に悲劇的な運命を歩むことになるからだ。


『それは……』


喰イ喰イは淡々とした口調で語った。
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