極悪プリンスの恋愛事情
「ちっ………結局告んのかよ」
凛くんの声が聞こえてすぐさま顔を引っ込めた。
どうしよう……もしここにいることがバレたら、絶対覗き魔だって言われちゃう!
また変態のレッテルを貼られるのはごめんだ。
第一あの時だって、寝込みを襲ったわけじゃないのに。
私はいつもタイミングが悪いだけなんだよ。
「………」
荒くなる呼吸を押し殺し、凛くんがいなくなるのを待つことした。
けれど、一向に出ていく気配を感じない。
なんで…行かないんだろ。
もう用は済んだはずなのになにしてるのかな。
「はぁ、」
凛くんの短いため息が聞こえてきた。
私もさっきまで連発してたな〜と、呑気なことを考えていたら─────。
「なんで俺なんか好きになるんだよ……」
悲しげな声色が私の耳に届いた。