お見合い結婚狂騒曲
〈祖父から聞いた。急にお披露目とか、申し訳ない。祖父は単に君の作った恵方巻きを食べたかったみたいだ〉
ーーということは、お披露目の方が、ついで、だったのね、と微妙にショックを受ける。
〈僕も君の作った恵方巻きを食べたい。だから、突然だが、赤尾真央さん、僕と結婚して下さい〉
ーー空耳?
〈返事が聞こえてこないのだが……どうした? プロポーズの返事をくれ〉
これって電話だよね。それも音声のみの。
「あのぉ、プロポーズって結婚の、ですよね」
〈君はこんな簡単な英語も理解できないのか?〉
呆れ声が返ってくるが、呆れているのは私の方だ!
その時、アッと公香の顔が浮かぶ。
「それって誰かから言われました?」
〈よく分かったな。真斗だ〉
なるほど、公香め!
「圭介君、私、過去、結婚に関しては夢も希望もありました。でも現実を見て、捨てました。でもですよ、これはあまりに酷い! 顔も見ず電話でプロポーズなんて!」
ハーッと深い溜息が電話の向こうから聞こえる。
ーーということは、お披露目の方が、ついで、だったのね、と微妙にショックを受ける。
〈僕も君の作った恵方巻きを食べたい。だから、突然だが、赤尾真央さん、僕と結婚して下さい〉
ーー空耳?
〈返事が聞こえてこないのだが……どうした? プロポーズの返事をくれ〉
これって電話だよね。それも音声のみの。
「あのぉ、プロポーズって結婚の、ですよね」
〈君はこんな簡単な英語も理解できないのか?〉
呆れ声が返ってくるが、呆れているのは私の方だ!
その時、アッと公香の顔が浮かぶ。
「それって誰かから言われました?」
〈よく分かったな。真斗だ〉
なるほど、公香め!
「圭介君、私、過去、結婚に関しては夢も希望もありました。でも現実を見て、捨てました。でもですよ、これはあまりに酷い! 顔も見ず電話でプロポーズなんて!」
ハーッと深い溜息が電話の向こうから聞こえる。