お見合い結婚狂騒曲
「もう、バッチイ。やだぁ、大丈夫?」

って、元はと言えば貴女でしょう! と睨む。

「あら、当然の質問よ」とティッシュの箱を寄越す。

「人間の三大欲の一つなんだから。それは男性だけのものじゃないわ」

確かにそうだが……経験不足が羞恥心を呼び覚ます。

「何赤面しちゃってるのよ。エッ、まさかカマトトぶって経験ないって言わないわよね」

公香の瞳が真実を探るように妖しく光る。
流石、ミステリーファン。

「私、この間ね、全国一律ミステリー検定で一級を取得したの」

突然なんの話だ? だが、それは凄いのだろうか? イヤ、そこではない。そんな検定があった事がビックリだ。

「だから、正直に答えた方がいいわよ。この私に解けない謎は無い!」

その決めポーズは何だ。かなり練習したな。

「そうやって現実逃避しても無駄だから、で、経験ないの?」

クッ、私の最大の秘密を……。

「ーーある……一回だけ。アイツと……」
「ハーッ! どう言う意味」

仕方なく、それについて話をすると、公香の米神に怒りマークが浮かび、ローテーブルに拳固が振り落とされる。

「あんのぉー、下半身だけ男!」

ヒーッ、超怖い!
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