たとえ明日が遠くても、君との未来を信じてる
Dear→遼



あいつは、そう言って帰って行った。
好き勝手いいやがって。でも心当たりはあった。「妹」って言ったこと。「ただの幼馴染」って言ったこと。「チビ」って言ったこと。でもそんなの本心じゃない。
バレたくなかった。自分の気持ちを。俺が穂花を好きだってバレたくなかった。気づかれたくなかった。
穂花のことを悪く言ったのだって、モテて欲しくなかったから。あいつは、もともとモテていた。あのフレンドリーな性格からも仲良い男子は沢山いた。きっと俺の焦りから穂花のことを悪く言ってしまった。
でも俺は、ずっと穂花だけだった。ずっと好きなのはあいつだけだった。でも、穂花に嫌われた。感情的になってガキみたいに傷つけた。


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