君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
しかもあたしみたいなダメダメな娘の面倒を、小さい頃からずっとみてくれている。
本当に感謝してるって、ことあるごとに言っているけど……あたしはそこまでダメなんだろうか。
まあ、取り柄は剣道と健康なことくらいだし。娘らしいことなんて何ひとつしてないんだから仕方ないか。
お母さんだって智花っていう自慢の娘が出来てから、あたしにそこまで期待してないみたいだし。
「じゃあこれ、あたしが優ちゃんとこ持ってく」
「あら、いいの? じゃあお願いね。たまにはうちに晩ごはんも食べに来てって言っておいて」
「あー、はいはい」
「何よその気のない返事。優一郎くん、前はよく来てくれてたのに、最近さっぱりじゃない? 遠慮してるのかしらねえ」
「さあ……。お母さんのご飯がそんなに好きじゃないとか」
ついそんなことを口走ってしまい、慌ててお母さんの方を見る。
聴こえてなかったかなと思ったけど、しっかりと母の目はこっちを向いていた。
「そんなに食べたくないんなら、あんたの分は作らなくったっていいのよ?」
「いや、それは、そうじゃなくて! 冗談だって、冗談! 当たり前じゃん! お母さんのご飯大好き!」