【短編】遠距離サンタの贈り物
*―*―*

12月も中旬になり、シフトが掲示される。私には無駄な早番。18時に上がったところで何もない。遅番だった同僚に頼まれ、交代することにした。


「ありがと~っ」
「いいよ。予定なんてないし」
「もう4年でしょ? 何にもないなら乗り換えちゃいなよ」
「そだね。私もそう思うよ……」


街がざわつき始める。来週にはクリスマス。ひとりだけ置いてきぼりを食らった気分。カップルがツリーを見上げる。女性が男性ものの小物を買う。男性がおそろいの手帳を買ってひとつを彼女にプレゼントする。

微笑ましい。

遠距離じゃなきゃ、私だって彼にプレゼントを買い、彼と一緒にツリーを見上げてたのに。


*―*―*

仕事が終わり、携帯が鳴る。彼から。躊躇しながらも、取る。


「……もしもし」
「げ。機嫌悪そうだなあ」
「別に」
「なんだよ、まだ怒ってんのかよ」
「別に」
「仕事なんだからしょうがねえだろ??」
「私だって仕事だもん、別にいいって言ってるじゃん」
「何だよその言い方」
「だから別にいいって!」

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