星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
少しずつダンスも出来てきて、他の冬公演用のユニット曲や選抜曲も完成に近づいていた。

私は最初の内は部活のラジカセでイヤホンを使って曲を聞きながらイメージを作って思う通りに踊り、一番納得のいくものを使う。
そんな風に多目的ホールで作っていた。

けれどそのうち一人で作ってくる時、部員が私に対する不思議なぐらいの期待の視線を向けてくるのが嫌になり椿先輩に許可をとり別室で作るようになった。

「ようやく完成した…!」

私は座っているの椅子の背もたれにもたれた。

こんこん

するとノックされた。

「心春、選抜の練習始めるって。」

環がドアから顔を出して声をかけてきた。
私の関係のある他の練習が始まる時には環や棗がこうやって呼びにきてくれるのだ。

「心春、どう?完成した?」

「うん、たった今。あとは踊りこみ。」

私はラジカセやなんなやらを片付けながら言う。

「そう、頑張ってね。応援してる。」

環がそう言ったのを聞きながら立ち上がる。
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