星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「最後にこれからも最高のステージを作っていけるよう、これからもどうぞよろしくお願いします。」

そう言って礼をした心春に俺たちは全員、拍手を送った。

「じゃあ、客席とステージにお礼をして解散にします。」

そう言って相良は舞台袖で幕をあげる。
その間に俺たちは舞台の前に1列になる。

「心春はここ!」

いつも通り同輩の近くに行こうとする心春を椿が引き留めて真ん中に越させる。

そうして全員が手を繋ぎ、同時に客席、ステージ、客席の順に礼をした。

俺と椿の間にいる心春の手は優しい暖かさがあった。

そしてその目には涙がたまっていた。

「「「ありがとうございました!」」」

客席のいないホールに41人の声が響く。
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