星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「心春!」

俺は解散になった後、心春に声をかけた。

「先輩、お疲れ様です。」

心春の顔はいつもにも増して明るかった。

「お疲れ。
ところで心春、24日空いてる?」

「24って…空いてますけど…」

12月24日、そうクリスマス・イヴ。
そのことに気付いて、心春は驚きを隠せていない。

「一緒に冬公演の成功祝わない?」

俺はそこまで言って心春の耳元に顔をよせる。

「…二人で。」

心春の顔はみるみるうちに赤くなる。
俺はそんな様子が可愛くてこっそり笑う。

「私は行けますよ?でも先輩はいいんです?」

「いいの、心春と祝いたいから。」

クリスマス・イブ。
冬公演の成功を祝うといいながらも俺にとっては特別だ。

俺はこの日に心春に告白する。
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