星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
あれから2週間と少しが経ち、年が明けて今日は始業式。

お正月には年賀状が10数枚届いた。
環と棗、一馬に颯の4人と椿先輩、聖也さんとクラスメート数名から。

やはり、小学校の友達からは来ないんだ。
当たり前だ、私に友達なんていない…
あんな風に思われていた私は彼らにとってもう存在意義はないんだ。

このことは…誰にも知られてはいけない。

「あけおめ。」

「おめでと。」

環が私の肩に抱きついてきた。
珍しくこの時間に棗もいる。

「こ、心春ちゃん、梅本先輩がっ!」

クラスメートの女子が私に少し上ずった声で私に伝えてきた。

「あんなカッコいい先輩がいるなんてすっごい羨ましい!」

そっか、聖也さんは人気だったんだ。
付き合ってるなんて決して言えない。

「ありがとう。
何だったらサインでももらおうか?」

私はその子に笑いながら言うと、嬉しそうに目を輝かせた。

「いいの!?ワガママ言っていい?
伊集院先輩のサインももらっても…」

「うん、頼んでみる。」

私はそう言って教室を出た。
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