星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
その日の放課後の部活の時、私たち中2と高2はホールの端に集まった。
円になって集まり、身を屈めた。

「はい、俺から1つ報告。
俺と心春、付き合うことになった。」

「「「…はぁ!?」」」

聖也さんの言葉に私たち3人以外は多目的ホール全体に響く声で叫んだ。

「な、何言ってるの?冗談じゃないの?」

部長さんが訳がわからないという顔をする。

「こんなこと嘘ついて何がいいわけ?」

「そりゃ、そうだけどさ。
梅本、お前後輩に手出したのか?」

高2の先輩が驚いた表情のまま言う。

「人聞きの悪い言い方すんなよ。
極々普通の健全な付き合いだから。
な、心春。」

私はその言葉にこくこくと頷く。

それから私たちが質問攻めにされ、本来の部活動に戻るまで時間を要したのは言うまでもない。


けれど凄く幸せな時間だった。
これが嵐の前の静けさだとも知らずに。
< 177 / 253 >

この作品をシェア

pagetop