星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「そういう…ことだったのか…」

俺は中学生の抱えるには重すぎる事情に言葉を失った。

「今すぐにでも助けに行きたいけど、買収の危険がある状態で行くのは心春も悲しむだろうな…

一体、どうすれば!」

「阻止するのは私になら出来る。
ただし1つ心配がある。」

そう言って椿は頭を抱えた。

「何でこの5枚を…!」

「あっ。」

俺の呟きに椿は目を剥いて顔を上げる。

「残された写真は聖也と撮った写真。
きっと聖也が写ってるから置いていった。
残りの4枚は全部ウィッグがない。

前にあった残りの3枚は部活の公演、私との写真、ウィッグした時の同輩との写真。

ということは心春は桐島に自分の髪のことを伝えていない。」
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