星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
その時、いや。
彼女が私たちの前に現れた時、
私の恋はヒビが入ったんだ。

~

私は音響照明室から出てホール脇の階段を降りて行く。
すると遠くから足音が近づく。

私が後ろを見るとちらりとその人影が見えた。

「せい「心春!」

そうだ聖也は私ではなく心春を探しに来たんだ。
角から気配の方を見ると泣き崩れた心春を聖也が抱き締めていた。

「っ!」

私は二人からは死角の壁にもたれた。
不思議なことにその様子を見ても私の目からは涙は出ることはなかった。

もしかしたら私はもう聖也のことを好きじゃなかったのかもしれない。
私はヒビの入った私の恋を自分で壊した。
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